5歳前後の子供は、食事や生活リズム、園での過ごし方の変化から便秘になりやすい時期です。
「もう4日も出ていない」「トイレで痛がっている」といった子供も少なくありません。
この記事では、5歳前後の子供に多い便秘の原因と、家庭で確認したい症状、毎日の生活で取り入れたい対策を整理しました。
便秘薬を使う際の注意点や何日出なければ受診すべきかも、合わせてチェックしましょう。
子供が便秘になる主な原因|5歳前後に多いケース
5歳前後の子供は、食事内容や生活リズム、園での過ごし方によって便秘になりやすくなります。
原因はひとつではなく、複数の要因が重なって起こることもあります。
水分や食物繊維の不足
水分の摂取量が少ないと便に含まれる水分も減り、硬くて出しにくい便になります。
汗をかきやすい季節や、遊びに夢中で水分補給が後回しになる日は特に注意が必要です。
また、食物繊維が足りないと便の量が増えにくく、腸の中にとどまりやすくなります。
朝食を抜く習慣も腸が動き出しすきっかけを逃し、排便のリズムが乱れやすくなります。
排便を我慢する習慣や生活リズムの乱れ
子供は遊びに夢中になるとトイレを後回しにすることがあります。
便意を我慢するほど便が腸に長く残り、硬くて出しにくい状態になってしまうのです。
さらに、生活リズムも便秘に関係します。
◾️影響しやすい生活リズム
- 就寝時間が遅い
- 朝の準備が慌ただしい
- 食事の時間が日によって違う
こうした生活が続くと、排便のタイミングも安定しません。
他にも一度排便時に痛い思いをすると、次の排便を怖がってさらに我慢する子もいます。
便を我慢すると硬くなり、出すときにまた痛みが出るため、悪循環になるケースも珍しくありません。
入園・進級や環境変化によるストレス
新しい環境に慣れるまでは、生活リズムも変わりやすい時期です。
入園や進級などで環境が変わると、子供は思っている以上に緊張しています。
友達の目を気にして人前で排便することを避けるため、園や外出先のトイレでは便意があっても我慢してしまうことも少なくありません。
そのためトイレに行くタイミングを逃してしまい、便秘につながることがあります。
子供の便秘で見られる症状と家庭で確認したいサイン
便秘は「何日出ていないか」だけで判断するものではありません。
便の硬さや排便時の様子、お腹の張り、食欲の変化も家庭で確認したいポイントです。
何日も便が出ない・排便時に強くいきむ
便秘の目安として、まず排便の回数を確認しましょう。
◾️便秘の目安
- 週に3回未満しか排便がない
- 3〜4日以上便が出ない日が続く
毎日出ていても、硬い便や強いいきみがある場合は便秘を疑う必要があります。
排便時に顔を真っ赤にして強くいきむ・長い時間トイレに座っている・出した後に疲れた様子がある場合も、便が出にくくなっているかもしれません。
硬い便により肛門が切れて少量の血がつくことも、便秘のサインになります。
お腹の張りや食欲低下が続いている
便がたまると、お腹が張って苦しくなることがあります。
お腹を触ったときに硬く感じたり、いつもよりぽっこりして見えた場合は便秘かもしれません。
さらに便秘によってお腹の不快感が出ることで、食欲や機嫌にも影響することがあります。
◾️便秘時に現れやすい様子
- 食事量が減る
- 機嫌が悪い状態が続く
- 遊びたがらない
他にもガスがたまっておならが増えたり、腹痛を訴えたりする場合もあります。
痛みを怖がってトイレを避けるようになる
一度排便時に痛い思いをすると、子供はトイレそのものを嫌がるようになることがあります。
「出したくない」
「トイレに行かない」
という場合はわがままと決めつけず、痛みへの不安を見てあげることが大切です。
便意があるのに我慢すると、便はさらに硬くなって痛みが出るため、便秘が長引きかねません。
なお、少量のやわらかい便が下着につく場合は、実は奥に硬い便が詰まって隙間から漏れ出ているサインです。下痢と勘違いして下痢止めなどを飲ませるとかえって悪化するため、自己判断せず医師に相談しましょう。
5歳前後の便秘を改善するための家庭でできる対策
子供の便秘対策では、まず食事・水分・生活リズムを整えることが基本です。

便が出やすい食べ物を毎日の食事に取り入れる
食物繊維を含む食材を毎日バランスよく取り入れることで、スッキリとした毎日をサポートします。
◾️食物繊維が豊富な食材
- 野菜
- 果物
- 芋類
- きのこ
- 海藻
- 豆類 など
いきなり量を増やしすぎず、普段の食事に少しずつ足していくと続けやすくなります。
ヨーグルト・納豆・味噌などの発酵食品を取り入れるのもおすすめです。
朝食にヨーグルトを添える、味噌汁に野菜を入れるだけでも、続けやすく家庭の負担も少なくなります。
また、きな粉・ごぼう・玉ねぎ・バナナなどには、オリゴ糖が含まれており、お腹の環境を維持するためにおすすめの食材です。
子供が食べやすいものを選びながら、主食・主菜・副菜のバランスを整えていきましょう。
朝食後にトイレへ座る習慣をつける
朝食を食べると胃に食べ物が入り、その刺激で腸が動きやすくなります。
朝は排便のリズムを作りやすい時間帯のため、朝食後にトイレへ座る習慣をつけることが大切です。
便意がなくても、5〜10分ほど便座に座る時間を作ってみてください。
長く座らせすぎると子供の負担になるため、短時間で切り上げながら毎日続けることがポイントです。
排便できたときはしっかり褒め、出なかった日も叱らないようにしましょう。
叱られるとトイレへの抵抗感が強くなってしまいます。
子供に使える便秘薬を服用する
食事や生活習慣を見直しても便が硬く出にくい場合は、子供でも使える便秘薬も対策の1つです。
子供用にも使われている酸化マグネシウムは、便に水分を集めて硬い便をやわらかくする便秘薬です。
腸を強く刺激するタイプとは働きが異なるため、便が硬くて出にくい場合に、医師の判断で酸化マグネシウムが使われることもあります。
ただし、子供に使う場合は次の点に注意してください。
◾️子供に便秘薬を使う注意点
- 対象年齢を確認する
- 用法・用量を守る
- 自己判断で続けない
少しでも不安があるときは医師・薬剤師に相談しましょう。
子供の便秘に関するよくある質問
5歳の便秘は何日出なければ受診したほうがいい?
4〜5日以上便が出ない状態が続く場合が、小児科に相談する目安になります。お腹の張りが強い・腹痛が続く・食欲が落ちている・血便がみられる、といった症状がある場合は日数に関係なく受診しましょう。
子供の便秘に市販薬や浣腸を使ってもいい?
市販薬や浣腸を使う場合は、対象年齢を満たしている子供用の商品であることを必ず確認してください。ただし、自己判断で何度も使わないようにしましょう。酸化マグネシウムなどの便秘薬も対策の一つですが、医師や薬剤師に相談しながら使ってください。
食べ物を変えても便秘が続くときはどうする?
食事や水分補給といった家庭の見直しを行っても改善しない場合もあります。何をやっても便秘が繰り返される場合は他の病気の可能性も踏まえ、小児科で診察してください。
まとめ
子供の便秘は、水分や食物繊維の不足だけでなく、排便を我慢する習慣や生活リズムの乱れなどが重なって起こります。
5歳前後は自分の気持ちを言葉にできる一方で、痛みや恥ずかしさから排便を避けることもあります。
家庭でできる主な対策は食事の改善や水分補給、排便の習慣をつけることです。
それでも便が硬くて出にくい場合は、医師からの提案で酸化マグネシウムなどの便秘薬が 使われるケースもあります。
便秘が長引く、痛みが強い、血便や食欲低下がある場合は、小児科で早めに相談しましょう。
監修
仕垣幸太郎 先生
大浜第一病院 大腸肛門外科部長
医学博士、日本大腸肛門病学会専門医・指導医、日本肛門機能障害研究会会員 福島県立医科大学大学院卒業。
東京山手メディカルセンター(旧社会保険中央総合病院)大腸肛門病センターで肛門疾患・排便障害の経験を積む。
以降,10年以上にわたり重症便秘症、便失禁などの排便障害診療にあたっている。
総合病院だけではなく、介護・在宅の現場での排便の問題に現場での指導やセミナーという形で取り組んでいる。